合奏の基本
合奏によって聴衆に提供される音楽作品は、出来上がりがすべてである!
作り方(演奏)の技術的裏付けも大切だが、出来上がりの最終形を想像するのはより大切である。
合奏をやるための技術の修得は個人で可能であるが、集まったスタッフによって可能な合奏の最終形は、合奏によってしか修得できない。
しかも出来上がりの程度は、外から観ないと解らない。
演奏側が如何に完璧でも、受けとる側に伝わらなければ完成とは言えない。
このような考えに基づき、合奏を能率的に行うための要点は、全員の感性を同じくする事であると思う。
【全員で同じく】
★集合目標★ビート感
★フレーズ感
★和声感、調性感
具体的な事で、
☆出来上がり最終形
☆ノリ(ビート)とキャラクター(場面設定)
☆テンポの変え方
☆表情、表現の変え方
を共有する。
【同じイメージ】
★バランス感★ミックス感
★サウンドのキャラクター(アレグロやアンダンテのような)感
を共有する。
【具体的エクササイズ】
☆音階☆オクターブユニゾン
☆三度、五度、六度進行
☆ダウンビートをアップビートから取ること
☆各楽器のサウンドミックスの実体験
☆ロングトーンで、表現を確信を持って行う
☆自己、他己の聞こえ方の違い
以上をまとめ、例えて言えば、全員で同じ『絵地図』を見てイメージを創る事と似ている。
絵地図はデフォルメがあり、必ずしも正確ではない。
しかし正確を期すことにつとめた学術的な地図が、必ずしも全体のイメージを伝えるとは思えない。
しかし聴く人が合奏の表現を生き生きととらえてくれるのは、学術的なものより絵地図的なイメージによる事であるのはまず間違いが無い。
目標は、楽曲の演奏に当たって、
★『精神年齢50歳』
を共通認識として、
★落ち着き!と活気!との両立
を目指したい。
2012年8月
池田 逸雄